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2014年4月21日 (月)

開放的“猫”写

前回、新兵器導入をエントリーしてから次回は使い勝手編を・・・などと書いておきながら、あっという間に2ヶ月が過ぎてしまいました(;´Д`)

Xf56mm_xt1 X-T1システム自体を使いこなせていると言うにはまだまだ程遠い段階ではありますが、最初の一本に選んだレンズ XF60mm F2.4 R Macro に続きボディからひと月遅れで3月に発売された広角ズーム XF10-24mm F4 R OIS も無事入手完了し、いよいよメイン機としての運用も視野に入ったこの段階で幸いにも、これまた新しくFUJIFILMのXシリーズラインナップに加わったばかりの大口径レンズ XF56mm F1.2 R をお借りして使う機会に恵まれましたので、今回はこのレンズ一本勝負で撮った写真を中心にレビューしてみようと思います。

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ちなみに写真はすべてRAWから純正ソフトで現像し、クリックして拡大表示される画像はオリジナルを50%リサイズしたものです。

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DATA : FUJIFILM X-T1 / XF56mm F1.2 R
1/680sec. : F1.2 : ISO 800 : 56mm (FS.84mm) : RAW FILE CONVERTER EX

 

相手が開放F値1.2の大口径レンズとなればやはりその実力を見てみたくて、なんでもかんでも絞り全開の薄々被写界深度ばかりで撮りたくなってしまうのが人情というもの(^_^;)・・・そしてそのカミソリのようなピントの薄さに翻弄されながらピンボケ写真を量産すること1週間、ようやくなんとか歩留まりが安定し出した頃には折角の桜も跡形もなく散ってしまっておりましたので、必然的に被写体は毎度お馴染の猫たちになるわけでして。。。

背景のボケ具合は流石としか表現する語彙を持たない自分が歯痒くてなりませんが、これだけクセなく自然なBokehを見せられると、正直自分にはもはやフルサイズ機のそれと区別がつけられる自信がありません><

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DATA : FUJIFILM X-T1 / XF56mm F1.2 R
1/4000sec. : F1.4 : ISO 200 : 56mm (FS.84mm) : RAW FILE CONVERTER EX

とはいえ開放F1.2の威力をいつでもどこでも発揮できるかというと必ずしもそうではなく、落とし穴があることにもすぐ気付いてしまいました・・・そう、このレンズは明るすぎるのです!
昨今の高感度化した撮像素子は反面、基準感度もISO200と高くなっていることに加えてX-T1の最高速シャッタースピードが1/4000sec.に留まっていることで、強くなりはじめた春先の陽射しの下では否応なく絞らざるを得ない状況が多く見受けられたのは残念に感じました。聞くところによると1/8000sec.対応のシャッター機構をX-T1に搭載すること自体は可能で、実際検討もされていたようなのですが、バッテリー保ち等の理由があって今回は見送られたとか。つくづくカメラというのはバランスが難しいプロダクトなんですねぇ。

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DATA : FUJIFILM X-T1 / XF56mm F1.2 R
1/1800sec. : F2 : ISO 200 : 56mm (FS.84mm) : RAW FILE CONVERTER EX

まぁ気を取り直して、開放から写りの良いレンズは半段〜1段絞ったあたりがいちばん美味しいはずと試してみれば、これまた想像以上の素晴らしいキレ味だったりするので、なにがなんでも開放で撮れなきゃ意味がないとは言えないんですがね。

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DATA : FUJIFILM X-T1 / XF56mm F1.2 R
1/4000sec. : F3.6 : ISO 200 : 56mm (FS.84mm) : RAW FILE CONVERTER EX

さらに絞り込んでいくに従って描写の立体感が増していく様を見せつけられるのも、このレンズが一本で2度3度美味しいと感じさせてくれる由縁ですが、このあたりはFUJIFILM独自の X-Trans CMOS との相性の良さが現れている部分かもしれません。

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DATA : FUJIFILM X-T1 / XF56mm F1.2 R
1/3300sec. : F1.4 : ISO 400 : 56mm (FS.84mm) : RAW FILE CONVERTER EX

レンズ操作性の面では、やはり絞り値表記のあるオーソドックスな絞り環つきに戻ったのが助かりました…というのも直前に自前で入手した XF10-24mm F4 R OIS の絞り環が無表記無限回転式で、その方式に若干の戸惑いを覚えていたからに他ならないのですが。クリック感は少々浅めですが、それでも1/3段刻みを左手の指先に感じながら絞り調整出来るレンズが自分の性に合っているようです。
実絞りに絞り込んでも画面の明るさを変えずにボケ具合が確認できるEVFがあるからこそ、このあたりの操作性は犠牲にしてほしくないものですね。
AFに関しては、正直可もなく不可もないといった感じです。おそらくフォーカス時に移動させるレンズ群が大きく重いのでしょう、最新のレンズにしては結構大きなガコガコ音とともに焦点が行き来するのには、多少の慣れ(諦め?)が必要に感じました。
あともうひとつ、あえて欠点…というか弱点をあげておくとすると、最短撮影距離の長さがあげられるでしょうか。カタログ上0.7mとなっていますが、手持ちの機材でいちばん近い焦点距離の PENTAX DA☆55mm F1.4 SDM が0.45m程度まで寄れることを考え合わせると、結構この点で使えるシチュエーションが限られてしまう可能性はあるのかなと。

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DATA : FUJIFILM X-T1 / XF56mm F1.2 R
1/120sec. : F1.2 : ISO 800 : 56mm (FS.84mm) : RAW FILE CONVERTER EX

ひと月ほど XF56mm F1.2 R を使ってみた印象はこんなところでしょうか。欲しいかと問われれば 正直に欲しい!です(^_^;)・・・描写に関しては文句なしのレンズなので、ポートレート用途中心な人には必需品なのではないでしょうか。ようやく使い慣れてきたところなので、これ以上お借りしていると勢いでポチってしまいそうな自分に気が付いて慌てて返送用の梱包したくらいですからw
これで防滴防塵対応だったら間違いなくポチってたんですがねぇ。。。

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