« 豚とGUNDAMと私 | トップページ | 「サーキットの仔豚」計画準備中 »

2010年8月30日 (月)

Welcome to my Top Gear!

あたいの夏休み(の工作)、第二弾です。
現実社会ではエンドレスエイトはありえませんので、夏休みの宿題は夏休みのうちに片付けておかないといけませんからね(とはいえ、最近は関東でも夏休みが8/31まである学校は減っているそうですが…)


我が愛車の「こぶたん」ことCR-Zは、6MT仕様であります。
オーソドックスなシフトゲートを持つマニュアルミッション車ですから、本来シフトレバーの位置から現在のシフトポジションを知ることは容易なのですが、3ヶ月ほど乗り回して最近思うのは意外とメーター内にシフトポジション明示して欲しいかもという欲求。
というのもモーターアシストがある分、CR-Zはマニュアルでもオートマみたいにギアを気にせず「ずぼら」な走り方に対する許容範囲が広くて、いざ「本気」モードに移行しようとした際に一瞬、現在のシフト位置を見失うケースがあるんですよね。
特にショートストロークなシフトレバーということもないので、当然慣れればレバー位置を手探りで間違うことも無いのでしょうが、左右方向の判別が案外シビアで、4速のつもりで6速のまま加速しようとしてアレっと思ってしまうことがままあるのです。

市販品で後付けのシフトインジケーターがありますが、ほとんどは車速とエンジン回転数からギアを推測する構造のもので、MT車で使用するにはレスポンスと表示の信頼性に若干疑問が残ります。
CR-ZにもCVT仕様にはパドルシフトがあるので、メーター内のデジタル速度計の下に小さく7速のインジケーターが仕込まれてはいるのですが、MT仕様では当然使われていません。その未使用な部分を使えればと思って配線図集を穴の空くほど読んでみたましたが、昔と違って今のコンビメーターはマイコンによる通信制御なので、ちょっと手出ししようがありませんでした。

そこで次に思いついたのが、ダイアグノーシスコネクター(OBD2)接続の市販追加メーター。pivotのレーシングモニターがギアポジションと水温の表示に対応していて尚且つ小型なので、(対応車種表には載っていませんでしたが)これが使えればと思い人柱覚悟で入手してみたものの、残念ながらCR-Zでは使えませんでした。
どうも車内通信線としてCR-ZはK-LineとCANバスを併用していて車体制御系の信号は従来のK-Lineには流れていないようで、K-Line専用のこのレーシングモニターは使用不可ということらしいのです(ということで、こいつは対応車種のクラごんの方で使用することに)。
CANバス対応の Intelligent Infometer Touch のような製品もありますが、たかだかギアポジを表示するだけの為には高価ですし大袈裟過ぎます。それにOBD2使用のテレメーターではゆくゆく試してみたいモノもありますし…ということで、

無いものは作る!!
ことにしたわけです(このところ前置きが長くてすみません)。


MT車用シフトポジションインジケーターの製作です。
検出部→制御部→表示部の3パート構成で作っていくことにしました。
まずは表示部。
7segment_disp 本当はちょっと凝ってドットマトリックスや16セグメントの格好いいデジタル表示にしたかったのですが、部品の入手性と制御の簡単さから一般的な7セグメントLEDで妥協しました。PARALIGHT C-551UB という青表示のものを使用。
文字高14mm程なので、表示部はコンパクトに収める為に基板2枚重ねとしました。また車両の電源電圧をそのまま利用する為にデコードICはC-MOSの4000シリーズを使い、電流制限には定電流
ダイオードを8本使いました。
7seg_blue_disp_3 表示部のケースに出来そうなものをガラクタ箱の中で探したら、JVCの古い車載ビデオデッキ(VHS!)用のリモコン受光部があったのでそれをバラし、上記の基板を組み込んだら中々イイ感じで透過表示されました。かなり濃い色のプラスチック越しですが、元々高輝度なLEDなのでコントラストも申し分ありません。

Shiftposition_2 次は制御部です。
左のようなパターンのシフト位置情報を7セグデコーダーICである4511の入力に合わせて二進化十進数に変換しなければなりません。
前後方向X⇔Zと横方向を検出するα・β・γの5つの信号の組み合わせを二進数に置き換えるのですが、PICをプログラムしてやれば簡単なところを今回は前時代的な論理ゲートの組み合わせで構成してみました(苦笑)。
Shift_indicator ニュートラルを0とすると、シフトポジションは0〜6なので3桁のA・B・Cを上記5つの信号から作り出してあげればいいわけですね(リバース信号は別に存在しますから、それを使ってLED全点灯=8とします)。
ORゲートの4071、NANDゲートの4011、インバーターの4069を各1個で事足りました。
Shiftlogic_box 部品点数も少ないのでプリント基板を起こすのも面倒ですし、ユニバーサル基板に直配線…まぁ表示部と違って制御部はどうせ隠してしまうのですから、それほどサイズに気を使わなくてもいいですし。

さて、ここまでは比較的順調に出来上がったものの、問題は検出部です。自分はどちらかというと細かい細工が苦手ですので、どうしても機械的な動きと精度を伴う必要のあるメカトロニクス分野は不得意なのですよ(;´∀`)
とはいえ今回はそこを避けては通れません。
そもそもオートマならば検出部が元からあるのですがマニュアルミッションには存在しませんから、どうしたって上記のような信号は自分で作り出してあげなければなりません。

Shift_lever シフトレバー周辺をバラすと、右の写真のような構造になっています。
前後方向と左右方向をそれぞれシャフトの動きでトランスミッションケースまで導いているのですね。ということは、この2本のシャフトから上記5つの位置信号を作ることが可能なわけです。
ニュートラルポジションを中心に、前後方向のシャフトは±15mm程、左右方向は±10mm程の移動量がありました。
位置センサーとして安価で一般的なのは、磁石によってオンオフするリードスイッチですが、意外と検出範囲がアバウトな上に取付スペースも必要です。
今回は前後方向のシャフトまわりがタイトで尚且つ左右方向の動きも伴うので、こちらの位置検出には若干高価ですが、3線式の工業用近接センサーを2個使用しました。
Aps412se Koyo APS4-12S-E という製品で、単価840円とこういった種類の近接センサーにしては手頃な価格です。十字線のところに4mmほどまで金属を近づけると反応します。電源電圧DC10〜30Vですので車載機器にも使いやすく小型軽量なので、今回のようにスペースが限られる場合にも使いやすいセンサーです。
正論理出力の型番末尾E1タイプが入手できれば良かったのですが、自分は負論理のEタイプしか手に入らなかったので、出力はトランジスタで反転させて使うことにしました。
Sensor_zoom 比較的スペースに余裕がある左右方向シャフトの位置検出は安価なリードスイッチ3個で対応。それぞれのセンサーを検出位置に合わせて配置した上でシャフトの鞘部分にタイラップで固定します。
赤丸部分は近接センサー用にレジェットレックスの切れ端をシャフトに巻いて、またオレンジ丸で囲った部分には小さくても強力なネオジウムマグネットを仕込んでやって、それぞれのシャフトの移動が対応する近接センサーやリードスイッチで検出されるようにしてやります。
近接センサーの方は流石に工業製品だけあって、感度の誤差も少なく一発で作動良好な状態にできたのですが、リードスイッチの方は検出範囲が中々一定せず、カットアンドトライでの位置微調整に結構手間取りました…いずれ予算が出来たら(といっても2〜3千円ですがw)こちらも近接センサー方式にしたほうが良さそうな気がしますね。
やっぱりメカトロニクス関係は難しいなぁというのが正直な感想です(^_^;)

検出部を別角度で見ると↓こんな感じ。
Shift_sensor Shiftindicator
2速に入っているのでZセンサー(とαのリードスイッチ)がオンになっているのが赤いLEDの点灯で判ります。
あとはシフトまわりの内装を戻してそれぞれユニットを結線して終了です。
干渉部分があると最悪、走行中にシフト操作ができなくなってしまう恐れもありますから、チェックは念には念を入れて実行しました。
可動するシャフト部分に追加したのは部材としても極軽い物ですので、シフトフィールへの影響は最小限で、素早いシフトチェンジも問題なさそうです。
表示部はメーターパネルの左端、警告灯類の前に設置しました。クルーズコントロール表示灯が隠れてしまいますが、それほど頻繁には使わない機能ですので問題ないでしょう。


構想3ヶ月。部品調達に1週間。製作に3日(苦笑)。手間はかかりましたがそれなりに満足いくものができて、今は幸せですw
これで加速するとき「POWWWWWEEEEEERRRR!!!」と叫ぶ事ができます(爆)

以上、長々となりましたが夏休み工作のご報告エントリーであります。

|

« 豚とGUNDAMと私 | トップページ | 「サーキットの仔豚」計画準備中 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Welcome to my Top Gear!:

« 豚とGUNDAMと私 | トップページ | 「サーキットの仔豚」計画準備中 »